ヤンキーなんて、大嫌い。





入学式にも出なくて、それから1週間学校にも来なかった渉。


敵チームの妹を拉致するためだけに、黒凪を受験した渉。



その対象は自分なのに、なんだかすごく渉がかわいそうに思えた。




「べつに楽しくもないと思ってた高校生活が、乃愛に出会って変わった。ターゲットだったくせに、乃愛といると楽しくて」



……それはあたしも同じだよ。



「普通に黒凪に入学して、普通に乃愛を好きになれたらどんなに良かっただろうって思った」



声が、細くなる。



「でも、俺は紅の久郷渉として、乃愛を拉致るって使命があって……」



渉が気遣うようにあたしを見た。



「……うん、続けて?」



もう、何を聞いても平気だから。



「分かってながらも、乃愛と居るのをやめられなくて、その結果、倉庫の前でメンバーに鉢合わせた……」



あのとき、焦ってパニックになってた渉が理解できた。


名前を言ったら、怒鳴られた理由も。



あたしを……守るためだったんだね……。