その途中、お兄ちゃんが突然こっちに顔をふった。
「……!?」
あたしとバッチリ目が合う。
足を止めて、少し淋しそうな表情で笑ったあと。
ポケットに手を突っ込んだまま速度を速めて屋上を出て行った。
「え……」
お兄ちゃん、あたしがココにいること知ってたの?
……もしかして。
これはお兄ちゃんと圭太の策略?
「……っ、なんでお前ここに……」
渉の声がした。
「あ」
あたしの体は、渉の位置から丸見えになっていた。
驚いて、腰を浮かせちゃったんだ。
「なんでここに……」
渉はすごく驚いていた。
「あたしも……よく分かんないんだけど……」
「もしかして、今の話……」
「……うん、聞いてた」
「はぁーーーーっ」
渉はフェンスに手をついて頭を落とした。



