だからって、ひとりで帰っちゃダメだよね。
あんなことがあったばっかりで。
紅は潰れても、他にもチームはあるし、さすがにもう勝手な行動はとれない。
……ていうか、ひとりで帰りたくない。
「屋上で、嵐士さんが乃愛を待ってる」
……お兄ちゃん?
あ、じゃあお兄ちゃんと一緒に帰るってことかな?
あたしは圭太に連れられて、屋上まで向かった。
屋上のドアを開けると、正面のフェンス付近にお兄ちゃんの背中が見えた。
「わっ……」
そのとき、圭太に腕を引っ張られて、あたしたちはタンクの物陰に隠れるような形となる。
「圭太、なにして……」
すると、圭太は人差し指を口に当てて、向こうを見ろというように顎を向けた。
そこには、お兄ちゃんと……
お兄ちゃんに歩み寄る人物……。



