「久郷くん、いつになったら学校来れるのかな」
小春が、あたしの隣の空席を見ながら呟く。
おとしまえ、というものをつけているのか、結局渉の欠席はそのまま継続していた。
渉の空席は、クラスメイトにとったらいつもと同じだけど。
渉の机を見るあたしの気持ちは、まったく違った。
あたしの為に、傷ついて……
あたしの為に、体を張って……
机をみているだけでも、涙が零れそうになる。
「そのうちひょっこり登校してきて、乃愛の頭でもはたきながら『おはよっ』ってやるって」
日南子も、なんとか笑いに持って行こうとしてくれる。
「だよねっ、久郷くんならなにごともなかったように現れるよね」
「そうそう!だから乃愛ー、そんな暗い顔しないのー」
「……うん……」
小春と日南子の笑顔と笑い声に、今日も救われた。



