……余計なことしなきゃ良かった。
呆然とした目で、俺を見ている乃愛と目が合ってしまったから。
「それをお前に託すくらい、俺がお前を買ってたのもよーく分かってるよな」
「……」
「一人占めはダメだろ。な、渉?」
そう言って、俺にナイフを向けた。
この瞬間、俺と仙道は本当の意味で敵になる。
「やるなら俺をやれよ」
「へー…。渉が命まで賭けようとするオンナなら、余計興味あるな」
仙道は舌舐めずりをして、
「一之瀬嵐士の大事なモンが、いつから渉の大事なモンになったんだ?ああ?」
乃愛の元へ行くと、横たわっていた体を立たせ、その顔にナイフを突きつけた。
「仙道おおおおおおおっ!!!!!!」
妹の危機に、一之瀬嵐士は冷静さを失ってるかもしれねえ……。



