「おー、渉久しぶりーー」
倉庫に着くと、バイクショップからの陽気なイトコの声を無視して、ドアを開けた。
電気をつけずに中へ入る。
ガランとしていて人の気配はない。
「乃愛!!」
呼んでみるが、返事もない。
……ここに来るわけないか。
乃愛を拒絶した俺の所に、何の用があんだよな……。
ドアを閉めようとすると、ベッドの下あたりから、ピンク色の点滅が見えた。
近寄ってみると。
……スマホ?
その光は、スマホの着信を知らせる光だった。
誰の……だ?
手に取って。
「……」
一気に全身が冷たくなる。
……乃愛のスマホだ。
乃愛はやっぱりここに来た?
で、なんでここに落ちてんだよ……。