それを頼りに、電車に乗り……。


地図通りに向かうと、迷うことなく辿りついた。





「あ……ない」


停まってると思っていた渉のバイクはなかった。



ここにも来てないんだ……。


落胆しながらも、一応ドアを開けてみると。



「開いた……」


鍵、締めないのかな……?



渉がいつもするように、電気のスイッチを入れる。


明るくなった部屋の中を見渡しても、やっぱり渉はいない。



ここへも来てないって、じゃあどこにいるんだろう。


不良な渉が、大人しく家にいるとも思えないし。



そんなことを思いながら、ベッドの端に腰掛けた。


ここへ来たのはついこの間のことなのに、すごく昔のことみたいに思えた。