太陽がこんなに高い時間に、学校から帰るなんて不思議な感じ。
しかも、ひとりで。
「……」
タクトさんから聞いた話をふっと思い出し、思わず辺りを見回す。
……大丈夫、だよね!
校門を出て向かったのは、いつも渉がバイクを止めていたバイクショップ。
制服姿の女子高生が、こんな所をうろうろするなんて怪しすぎるよなぁ…。
挙動不審気味に、バイクショップの前を行ったり来たりしていると。
「あれー?」
あたしに気づいたコウキさんが、お店の外に出てきてくれた。
1週間渉と帰ってたせいで、コウキさんとも顔なじみになったんだ。
「こんにちは!」
「どうしたの?こんな時間に」
「えっと、あの、ちょっと…」
「もしかしてサボり?」
目を泳がせたあたしに、悪戯っぽく聞いてくる。