渉が来なくなって、1週間が経った。
喧嘩に関するうわさも、今ではもう何もなかったかのように落ちついた。
最近では渉を気に掛ける声も聞こえてこない。
あれだけ渉に黄色い声で言い寄っていた女の子達も、渉が登校しているか覗きに来ることもなくなった。
渉の机も、ただそこにあるだけで。
渉がいないのが、当たり前になっていた。
休み時間。
小春と日南子と圭太を交えて会話していた時。
「圭太さぁ、テスト受けてないし、もしかして留年決定!?」
……っ!?
日南子が放った言葉に、あたしはサーッと血の気が引いた。
そうだ。テストを受けてない圭太は、赤点どころの騒ぎじゃない。