「圭太のやつ、白昼の校舎で堂々とケンカしたらしいじゃねえか」
……あ。
お兄ちゃんも知ってたんだ。
あそこまでの騒動になって、お兄ちゃんの耳に届かない方がおかしいか。
ケンカの原因までは伝わってない……よね?
「そ、そうみたいだね……」
様子を伺うようにして、お兄ちゃんに目を向けると。
「最近どうしたんだよ、圭太の奴」
ペットボトルのキャップを開けながら、独り言のように言って、あたしをチラッと見ていた。
……それは、あたしにキスしたことも含まれてると思う。
「……」
合わす顔がなくて俯く。
何をどうしたのかはわからないけど、その後、圭太とお兄ちゃんの仲はとりあえず戻ったみたい。
「相手は紅の男だっつうじゃねえか」
「……」
「まさか乃愛は関わってないよな?」



