「乃愛ちゃんは渉のこと……」
「もういいんだよっ……」
『てめえがその気にさせたんじゃないのかよっ……』
……まさか、な。
乃愛が俺を……なんて、あるわけない。
ヤンキー嫌いな乃愛が。
その言葉に意味があってもなくても。
俺は乃愛を傷つけたことには変わりない。
"煌蘭の姫"……そう扱ったことで。
見ないようにしていたのに、最後、一瞬だけ目に入った乃愛の瞳は。
今までに見たことのないくらい、悲しそうな瞳をしていた。
心臓を鷲掴みにされたように、胸の中がかき乱れる。
「俺を嫌いになればいいんだっ……」
乃愛をこれ以上、俺に深入りさせるわけには……
俺が、乃愛に深入りするわけにはいかねえんだよっ……。



