【渉side】
「……るっ……渉っ……!!」
後ろから追いかけてきた斗真が俺の肩を掴んだ。
グイッと振り向かされると、力強い瞳の斗真が俺を窘めた。
「何もあそこまで言うことないだろっ……」
「……」
胸が痛い。
痛くてたまんねえ。
「俺には乃愛を守れない……。守るのは……新藤の役目だろ」
あれだけ挑発しとけば、新藤は死んでも乃愛を守るだろう。
……そうしてももらわなきゃ、困るんだよ……。
紅にいる俺が、どうやって乃愛を守れるっつうんだよ……。
そのまま屋上まで向かった俺達。
久々にやり合って熱を持った体が、スーッと冷まされていく。
新藤の前では冷静を装っていたが、胸ン中はマグマが燃えるように熱かった。



