「乃愛傷つけてんじゃねえよっ!」
――ガッ!
「きゃああぁぁぁっ!」
圭太に殴られた渉が吹っ飛び、外野から叫び声が上がる。
ちょ、圭太っ……
なにしてるの……っ!?
「……るせーんだよっ!」
すぐに起き上がった渉は、同じように圭太に向かって行く。
――ガッ!
圭太に挑発されても、いままで手だけは出さなかったのに。
……っ。
最強と言われてる渉が牙を剥いた瞬間を、はじめて目にした。
目の前で突如始まった取っ組み合いのケンカ。
渉が本物のヤンキーだという事実を目の当たりにして、震えが止まらない。
だけど……
渉が圭太と違うのは、持ち合わせているのは激しさじゃなくて、冷たさだけだと感じた。



