このまま、わけもわからず渉に無視され続けるなんてイヤだもん。
はじめて、好きになった人なんだから……。
嫌われたとしても……このままなんて絶対に、イヤ!
「あたしが何かした!?」
人気の少なくなったところで、渉が足を止めた。
あ……、
話、する気になってくれた……?
その隙に、渉の前に回り込む。
久しぶりに、渉を正面からちゃんと見た気がする。
相変わらずキレイな顔をしていて、でもあたしを見降ろす瞳は、どこか冷たく感じて。
「したなら謝るから言ってよ。そんな……無視なんてしないでよっ……」
最後は涙声になる。
いつもちょっかいを出して来て、ほっといてほしいと思ってた渉に。
無視しないで……なんて言う日が来るなんて。