多分聞こえてなかったんだろうと都合よく解釈して、もう一度話しかける。
「わた……」
「集中できないから黙って」
「……」
名前を呼ぼうとしたところで遮られた。
どんなイジワルな言葉だとしても、いつもどこか温かみがあった。
でも今のは、本当に冷たい声で。
もう一度トライする勇気を完全に失い、あたしは大人しく前を向く。
なんで?
やっぱりお兄ちゃんが何かした……?
それとも、あたしが、何かした……?
そんな状態のまま、3日間の中間テストも終わり。
その間、渉から口をきいてくれることは一度もなかった。



