「ふー」
さっきから渋り続けるあたしとのやり取りが長くなると感じたのか、
タクト先輩は、朝っぱらから家の前でタバコに火をつけた。
「乃愛ちゃんに電車で行かれたら、困るんだよ」
……困る?
「乃愛ちゃん、自覚してる?身の危険とか」
「あの……」
身の危険って。
大げさすぎる話に、なんのことだかわからない。
前にお兄ちゃんが言ってた、『夜になると男がオオカミになる』とかそういう類の話……?
「総長の妹ってね、危ないの」
……危ない?
唐突に言われても分かるわけなく。
「乃愛ちゃんに無駄な心配かけたくないから言わなかったんだろうけど、総長の妹なんて、チョー危険な立ち位置なワケ」
さっきよりも噛み砕かれた内容で、なんとなくその意味を肌で感じていく。



