そして、月曜の朝。




……今度こそ、圭太は渉のことをお兄ちゃんに話してるよね……。




覚悟を決めて。



「お兄ちゃ……」


洗面所で髪を整えるお兄ちゃんに、恐る恐る声を掛けたけど。


「……」


無言のまま、あたしの横を通り過ぎて洗面所を出ていく。




……無視、か……。



今日もまた、話がどうなったのかわからないまま学校に行くしかないか……。




「いってきます…」


どんな顔して圭太に会えばいいんだろう。



重い足取りで、いつもの時間に玄関を出たあたしを待っていたのは。



……え。



「おはよ、乃愛ちゃん」


圭太じゃない人。



煌蘭のメンバーで、顔は知ってるけど名前は……ちょっと思い出せない。


「俺のこと知ってる?」



「えと……」