……さっきまで、そこに乃愛が座ってたんだよな……。
乃愛の痕跡が、余計に俺を苦しめる。
「……はぁ……」
俺はソファに浅く腰を掛けると、膝に頭をつけた。
「どうした?」
「……見られた」
「あ?」
「乃愛を見られたんだよっ……!」
顔を上げて、机に拳を叩きつけた。
クソっ……。
なんで今日に限って、ここへ来たんだよ。
「見られた……って」
「うっかり寝過ごしたんだよ。起きたら9時で、俺も乃愛も慌てて外に飛び出したら」
「ちょ、ちょ、ちょい待て」
「……あ?」
「……やっぱお前ら……もうそーゆー仲?」
……ったく。
こんなときに何言いやがんだ。



