べつにあたし、悪いことしてないよね?
どの場面を思い返してみても、あたしに非なんて見つからなくて。
くよくよしたってしょうがない!
もう忘れよう!
気を取り直し、ゆっくりお風呂に浸かってると。
「ねえ、圭太君が来てるんだけど?」
ママがそう言いながら、お風呂の扉を開けた。
「わあっ、ビックリした……。って、圭太が!?」
ビックリしすぎて、水面でお湯がジャボンと跳ねる。
……門限破り、バレた……?
圭太があたしを訪ねてくることは、今までも何度かあった。
宿題見せろとか、漫画貸せ(お兄ちゃんのをこっそり)とか。
でも、なんで今日このタイミングで?