校門を出ると、渉は右に曲がりスタスタと歩いて行く。



「えっと……」


あたしの家、そっちじゃないし……。



と思いながらも、送って貰うという立場だから軽々しくそんなことは言えないんだけど。


足を緩めてそれをアピールしていると、「ん？」と振り返った渉に、


「あたし、こっちだから……」


渉の家がそっちなら、やっぱりここでバイバイでいいやと思いながら声を掛けると。


「いーのいーの、来いよ」


大きく腕をふってこっちだと合図する。




いーのいーの……って？





とりあえず、ついて行くと。