……呆れた?
そうだよね。
勝手に怒って勝手に泣いて。
こんなあたしなんて……
「支度しろよ、送ってく」
「……っ……?」
……あたしを……送ってく……?
小春もそんなこと言ってたけど。
まさか、ホントに言われるなんて思ってなくて戸惑う。
だって、この状況で……?
目をパチパチさせたあたしに。
頭の上に手を置いて、渉は優しく言った。
「煌蘭の姫を、ひとりで帰すわけにいかねえだろ」
……どうしてか、その瞳が。
悲しそうに見えたのは、気のせいかな……。
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