「……」
それでも何も答えられないあたしに、渉は矢継ぎ早に問いかけてくる。
「コンタクトがずれた?転んだ?悪口でも言われた?」
狭い通路に立っているあたしと渉の体は、嫌でも触れ合う寸前で。
それだけでもいっぱいいっぱいなのに。
「どれでもねえだろ」
尋問するような渉の視線に耐えられずに下を向くと。
「……誰想って泣いてんだよ」
渉の手が、あたしの顎にかかり、上を向かされた。
……え?
滲んだ瞳で、渉を見上げると。
ふいに渉の顔が近づいて来て。
「……っ…!」
背けた顔を、
「……んんっ……」
追いかけて、奪われた。
……2回目の、キス。



