さっきあたし、うまく呼吸すら出来てなかったんだ……。
本棚に背をつけて、大きく息を吐く。
どうしちゃたの、あたし……。
べつに、渉に彼女がいたって関係ないじゃん。
むしろ、いて当然だって思ってたし。
彼女がいる人は、クラスメイトや隣の席の子と仲良く喋らないのかというと、そうじゃないのも分かってる。
あたしが、渉にとって特別だったわけじゃないのも分かってる。
……だけど、だけど。
なんか、裏切られた様な気持ちでいっぱいなんだよ……。
鼻の奥がつん、と痛くなって。
ゆらゆらと、視界が滲む。
なんだろう……これ……。
「なにお前、泣いてんの?」
あたしの疑問は、誰かの声によって形となった。



