「こういう言い方、乃愛は好きじゃないと思うけど……」と、小春は前置きして。
「やっぱり煌蘭の総長の妹なんだから、絶対に送って貰うんだよ。てか、久郷くんもそのくらいわかってるか」
なにそれ?
暴走族の総長の妹は、送って貰わなきゃいけないの?
それを渉が分かってるって……?
意味不明なことを言う小春は、手を振って図書室を後にする。
「じゃあね、ファイト!」
またしても、意味不明な言葉を残して。
ファイトもなにも。
勉強を頑張らないといけないのは、渉の方だし。
……それに……。
渉があたしを送るわけなんかないよ。
彼女でもないあたしを、送る義務はないんだから。
本物の彼女がいる、渉には……。



