で、放課後になって。
約束どおり…というか、無理矢理させられた約束、というか、身から出たサビというか。
渉と図書室で勉強中。
自由のないあたしが、どうやってこの時間を確保したかというと……。
……遡ること、3時間前。
「お願いっ、小春!」
昼休み、あたしは小春に両手を合わせていた。
まさか、渉と勉強するから今日の送りはいりませんなんて、圭太に口がさけても言えない。
だから、小春と一緒に勉強するって言えば、なんとかなるんじゃないかと思ったんだ。
「久郷くんと一緒に勉強するの?」
「うん。なんだか話の流れでそうなっちゃって……」
「ふうん」
小春にしては、珍しく意味ありげな瞳。