渉は……と隣を見ると、また女の子たちから逃げたのか、既に姿がない。
まったく。
めんどくさいならめんどくさいで、どうにかすればいいのに。
ヘタにフレンドリーな態度をとるものだから、やってくる女の子があとを絶たないんだ。
「久郷くんは、いないみたいなんですが……」
でも、いなくて良かったかも。
一緒に職員室に向かう際中、いつもの調子で来られたらキケンすぎるから。
そう言いながら教卓に向かうと、先生は困ったような顔をして、
「じゃあ仕方ないな。半分頼むよ」
教材の他にノート半分を抱えて、先に教室を出ていった。
半分なら大丈夫かな?
ここで、全部持って行けって言われなかっただけいいか。
あたしはノートを半分抱えると、職員室まで向かった。



