「あー、もうすぐテストかよー」
1時間目が終わり、渉が反り返りながらうんざりしたような声をだした。
「うん。そうだね」
あと1週間後に、初めての定期テストを控えている。
いま終わった数学でも、テストの範囲を伝えられたところで。
「なあ、テストの山とか教えろよ」
「そんなのあたしが知りたいってば」
「乃愛頭よさそうじゃん」
乃愛…って呼ばれるのも、もう慣れた。
渉……とは呼べないけど。
「まぁ……望んで入った高校ではないので……」
確かに、あたしのレベルからすると黒凪高校のレベルは低い。
だからこそ、この高校では上位を目指したいんだ。