やばい…っていうのは、こういうことがお兄ちゃんに知れたらってことだよね。




うん。


自分たちで気付いてくれてよかった。



日南子がもっとヒートアップして、圭太が気づいたら黙ってないはずだし。




そしたら……。





「乃愛、あんなの気にすることないからね」


日南子が力強く言う。



「……うん」



でも、あんなことを面と向かって言われたのは初めてで、ちょっと心が折れた。




次の授業が始まり、何食わぬ顔で戻ってきた渉には……文句を言う気力さえなかった。