あのあと屋上では、チャイムが鳴るまで10分くらいあって。


その短時間で昼寝を満喫できたらしい渉は、昼休みが終わるとサクッと教室に戻ったけど。



あたしは、なんだか落ち着かなくて授業に集中できなかった。


で、今も、授業が終わったことにも気づかないくらい、どこかに飛んでいたわけで……。




「もたもたしてるとほら、圭太くん待ってるよ」


「そうだ!」


圭太を待たせてるんだった。


慌てて帰りの支度をして、


「じゃ、また明日ね」


「ばいばーい」


「またねー」


小春と日南子に見送られて、校門に急ぐ。