とりあえず腹いっぱいってことは、あたしの作ったお弁当が、渉を満たしたってことだよね。
じゃあ、お弁当は満足してもらえたのかな?
……キス……は、満足できなかったみたいだけどね。
さりげないアピールが、あたしの嬉しさに拍車をかけて、渉が不良ってことなんてどうでもよくなってくる。
「チャイムなったら起こせよ」
そう言って、ごろんと横になった渉が頭をつけたのは。
「えっ!?嘘でしょ?」
……あたしの膝の上。
「ちょ、ちょっとっ……」
膝を動かしてみるけど、頭がフラれるだけで退けてくれる気配はない。
閉じた瞳を開ける気配もない。
「もう……」