「あっ、でも、お兄ちゃんほんとに怖いんだよ……?」


普通に喋ってくれるのは嬉しいけど、現実問題、それは回避できないわけで。


「あ?んなの楽勝だって」


「でもっ……」


「俺を誰だと思ってんだよ、俺はな……」



そこまで言って、おもむろに言葉を切る渉。



……?



「ふわあ……」


すると突然、あくびを一つして。


「腹いっぱいになったら眠くなってきた」


空にむけて、ぐーっと腕を伸ばした。




そっか。


渉は"最強"、なんだっけ。



渉が不良ってことは、あたしから触れない方がいいのかな……。