胸の奥に、渉の言葉が響いた。 誰にも気にづかれなかった傷口に、そっと手を触れてもらえたみたいに……。 あたしはいつだって、煌蘭の総長、"一之瀬嵐士"の妹で。 "一之瀬乃愛"っていう一人の女の子としては見てもらえなかった。 「……イヤに決まってるよ……」 小春や日南子みたいに、仲良くしてくれる友達もいるけど。 あたしからの告げ口を恐れてか、ほとんどの子に気を使われてばっかりだった。 「いじめてるんじゃないだろうけど、まるでいじめられてるみたいで……」