究極のイケメンが見せるその笑顔に、ドキっとした自分を押し殺して。


「これでお礼になるよね。てことで、それじゃ」


小春たちの元へ行こうとすると。


「これをここで広げろっつーの?」


「え?あー……」



それも困るか。


だって、それ、あたしがいつも使っているお弁当箱に、ランチマットで。


思いっきりピンク色。


渉のになる予定だったお弁当は、お兄ちゃんに渡しちゃったから、あたしの分を渉のにするしかなかったんだ。


「じゃあ、どこかでこっそり食べてきて」


「は?」


「は、じゃなくて、よろしく!」


そう言って、今度こそひらりと踵を返すと。