「弁当作ってきた?」
教室に入ってくるなり、おはようより先にお弁当の確認をする渉。
……ホントにひやかしじゃなかったんだ。
こんな命令なんてクソくらえって思ってたくせに、なんだか嬉しいとか思ってるあたしはなんなんだろう。
そんな自分に戸惑って、ただ黙って頷いた。
「へ~、昼が楽しみだな」
それはいつものイタズラな笑みじゃなくて、本当に楽しみにしてくれているようで。
不覚にも、あたしも頬が上がってしまった。
そしてお昼。
「ん!」
あたしは渉に紙袋を突き出した。
「ん?なに?」
中を覗き込んだ渉は。
「うおっ!これ弁当か」
顔をクシャクシャってさせた。
イジワルじゃない、素の笑顔。
そんな風に笑えるだ……。



