だけど。 「俺さ、手作り弁当とかそーゆーのに憧れててさ……」 え…、と渉の方に首を振る。 まつ毛を伏せて、どことなく淋しそうな横顔の渉。 ……もしかして、渉。 お母さん、いないの……? だから手作りのお弁当に憧れてるとか……。 「もしかして、と思うけど、お母さんは……?」 恐る恐る尋ねる。 「……母……さん?」