「なあ、明日俺に弁当作ってこいよ」



そんなあり得ない命令を下されたのは、6時間目が終わった直後だった。




返事をする気も失せるような命令に、あたしは無言のまま帰り支度をする。




「無視?」



……わかってるなら聞かないでよ。


だいたい、無視してるのに無視?って聞かれたとこで返事なんてしたくないのに。



「おーい、無視すんなって」


「あたしに話しかけないでっ!」


結局しつこい渉にあたしが負けてしまう。




「なんでだよ」






……はぁぁ……?


あれだけ圭太に言われてもわからない渉に、小声で言う。