「うまいなコレ」 「へっ……?」 文句を言おうとしたのに。 「そ、それはどうも……」 言葉は奥に引っ込んじゃって。 逆に、お礼なんて言っちゃうあたし。 だって『うまい』なんてサラッと言われたら。 こんなにおいしそうに食べられたら…… ……悪い気はしなくて……。 「ごちそーさま」 最後にぺロっと上唇をなめる渉の姿に、教室のあちこちから『きゃー』という黄色い声が飛んだ。