「……間違ってるよぉ」


いつまでもあたしが不服な目を向けていると。


軽くため息をついたお兄ちゃんが、声のトーンを和らげた。


「何か欲しいものがあるのか?あるなら言え。買ってやる」


「やっぱ持つべきものはお兄ちゃん、よねっ!」


あたしにとってはテンションの下がるような言葉も、ママにとってはお兄ちゃんの株上げにはっぱをかけただけ。


ママは嬉しそうにあたしの肩にポンと手を乗せると、鼻歌まじりにまたサラダをつつく。