「ん?」
「あいつね、M町では知らない人がいないらしいよ」
M町っていうのは、この学校の隣の駅周辺なんだけど……。
「知らない人がいない?」
どういうことだろう。
食いついたあたしに、日南子が得意げに説明してくれる。
「M町を起点とした、紅(クレナイ)っていう不良チームがあるのね。
久郷渉は、そこに入ってんだって。幹部とかじゃないらしいんだけど、実は最強だって話」
顔の広い日南子の情報網はハンパないから、その話の信憑性はかなりあって。
「そっかー。だから、昨日圭太の鉄拳を片手でとめちゃったんだ」
小春は納得したように頷くけど。



