「なっ、なんでもないっ……」
あたしは下を向いて、トーストをかじる。
昨日は、お兄ちゃんが帰ってくるのをビクビクしながら待っていた。
絶対に、何か言われると思って。
それでも、いつものように10時過ぎに帰って来たお兄ちゃんは、あたしの部屋へ来ることもなく。
静かな夜が過ぎて行った。
そして、今、なんだけど。
圭太、言ってないの……?
昨日の朝の騒動や、保健室でのあんなことなど……。
そんなワケないよね。
圭太は放課後、煌蘭のたまり場に行って、お兄ちゃんに会ってるんだし。
それとも、お兄ちゃんはもうあたしの交友関係に口出しするのをやめたとか……?
うーん、謎だ……。