圭太と連れ立って教室へ戻ると、ちょうど1時間目が終わったところだった。
「あっ、帰って来た!」
「乃愛、大丈夫?」
すっ飛んできた日南子と小春が、あたしを囲む。
「朝のアレなんだったの?」
「乃愛にあんなことするなんて、勇気あるね」
「イケメンからお姫様抱っこなんてっ。きゃー!あたしもされてみたぁーい」
「うんうん。見た目もカッコイイから、ホント王子様に抱っこされてるお姫様みたいだったよね」
……だったら変わってほしかったよ、と切実に思う。
日南子も小春も楽しそうだなぁ。
ひとごとだと思って……。
「あーーー」
あたしは机に突っ伏した。