「門限は6時で変わらねえからな」


チラリとあたしに注ぐ視線からは、ますます朝には似合わないブラックオーラが放たれた。


「そうそう、嵐士の言うことを聞いてれば間違いないからっ!」


楽観主義者のママは、自慢の息子が暴走族に入っていて、そこを取り仕切ってるなんて夢にも思ってない。


いくら帰りが遅くても、髪の毛が奇抜でも、バイクを乗り回しても、



『男の子はやっぱ自由よね~』



なんて悠長なことを言ってのけるのは、お兄ちゃんがものすごく成績優秀だから。


そこへ来て妹思いとなれば、もう言うことないみたい。



あたしから言わせてもらえば、妹思いっていうよりただの過保護なシスコンだけどねっ!