【渉side】 ――タン。 静かな音を残して、保健室のドアは閉まった。 「ふー……」 俺は長い息を吐いて、天井を見上げる。 「乃愛……か……」 そして呟く。 ……にしても、アイツのパンチはなかなか強烈だったな。 圭太って、言ったか。 中学の時からやんちゃばかりしていた俺は、ケンカの腕は誰にも負けない自信がある。 もちろん交わしたが、手のひらがかなりジンジンした。 高校なんて全く興味なかった。 毎日ケンカばっかりして、根をあげた中学の担任は、俺に高校受験を進めることもなかった。