「そっ、それはちょっと出来ない相談かと……」


見惚れてる場合じゃない!と、自分を戒めながら首を傾ける。



渉……だなんて。


心の中では勝手に呼び捨てだけど、本人に向かって呼べないよ!



日南子は既にクラスの男子の何人かを名前で呼んでるけど、あたしにそういうのは縁がないと思ってたし。


ハッキリ言って、名字で呼ぶ機会もなかったけどね。



「てか、それ以上の仲か」


「……っ!?」


ニヤリと笑って言われ、また体中が熱くなる。



それ以上って……つまり。