そんなあたしにしびれを切らしたのか、渉はあたしの陣地に身を乗り出した。


「……っ!?」


肩と肩が触れ合うどころか、渉の髪の毛があたしの首元にあたる。


ふわっと香る甘いにおいが、金曜の夜のことをリアルに呼び起こしてドキッとした。


「ちょ、なにしてっ……」


「いいだろ」


「でもっ……」


「これこそ減るもんじゃないだろ」


「……!!」


その言葉は、あのキスと比較してるのが丸わかりで、カァァァッ……と体中が熱くなる。


そんな風にサラッと言わないでよ……!!



「ほーら、そこ、何をイチャついてる」


教卓の方からはそんな声が聞こえたけど。



もはや、あたしと渉はプリントを巡って格闘中。