「乃愛ッ!?」
小春がものすごく驚いた声をあげているけど、それどころじゃなかった。
背が高い渉の口を覆うのは、容易じゃない。
それでもあたしはガッチリ抑え込んだ。
「んっ!んーーーーー!!」
勢い余って鼻まで一緒に抑えてしまい、渉は苦しそうにもがく。
それでも、とんでもないことをバラされる恐怖に勝るものはない。
バラされてたまるもんですか!
あたしは渉が降参するまで、この体制を崩すもんかと粘る。
もう二度と会うはずないと思ってた人が目の前に現れて、とりあえずパニックだったんだ。
「……乃愛…?」
そのとき、あたしを我に返す声が耳に届いた。



