朝起きると、既にルイドの姿はなかった。
重く不快な下半身をゆっくりと動かし、ルイドが寝ていた場所に身体を移動させ、ルイドの残り香を纏う。
そして私はまた目を瞑る。


もし、子を宿しその子が跡継ぎであったなら。
私はあの人を解放してあげよう。
それはルイドの為にもいいだろうし、私もこの苦しみから解放される。
妻の身代わりにすらなれない私は、子供さえ出来てしまったらもう用済みなのだから。
愛の存在しない夫婦の間で育つよりはその方が幸せだと思うから。