愛の言葉を聞きたくて


懇願するような瞳が映る。こんなに必死なルイドも見たことはない。

「わ・・・私は、ずっとオルーフィア様の事を愛していました。でも、この屋敷の中には前の人の物がそのままに残されていて、それはきっと忘れる事が出来ないのだからだろう・・・と」
「・・・ああ、そうか。セルシアは何も知らないんだ。君がこの屋敷に来たときにあったものは、少しずつ処分をしていったんだ。気付かなかったかい?」

そうだった・・・私・・・。
どうせあるものだと思い込んで、周りを見ようとしなかったわ。
いつも部屋から出る時は俯いて、周りを見ないで歩いてた。

「最後まで前の妻と使っていた寝室はそのままにしていたけど、君と寝室が別になった時にそこにあったものも全て処分したんだ。もう前の妻の事は過去の思い出だからね。昔の思い出に浸って寝るよりも、セルシアとの未来を思って寝る方が幸せだから」
「私はずっとあるものだと思い込んでいて・・・。それで・・・」

ルイドは少し困ったような笑顔を見せる。そして優しく頬を撫でる。

その手から伝わる、愛。

「私達は言葉が少なくてすれ違っていたようだね。これからは何でも話そう。何回でも言おう。・・・愛しているセルシア。君の事を愛しているよ」
「オルーフィア様・・・」
「私の名前を呼んで。そして、セルシアからも聞かせて欲しい」
「・・・ルイド、・・・愛しています」

いたわる様に優しく私を抱きしめる。
身体からはルイドの熱が伝わる。
その熱は今まで伝えられなかった分だけの愛。

「セルシアも子供も、これから生まれてくるであろう子供も、全て幸せにしよう。私の愛しいセルシア」


瞳から頬を伝い流れる涙。
でもその涙は今までの悲しい涙じゃない。
それは幸せに満ちた愛の涙だ。