紅色に染まった少女を抱き上げようと、屈んだ時。 彼女の横にーーー血に染まった花が、咲いていた。 「薺草……か」 薺草。 確か、花言葉はーーー 「……フッ」 『……主?』 「どこまでも……腐っているな、お前は」 彼女を抱き上げ、月を見上げる。 ーーー何処までも、狂い咲きなさい。 私ではきっと、駄目だろうから。 腐った花は "ソレ"に相応しい場所でーーー