こうして私はキャンパス内でもかなり有名人の奇跡のイケメン双子と二人が思いを寄せる女子との三角関係を日々ウォッチングしているのだ。


「花野井教授、例の資料こちらにまとめましたので確認お願い致します。」


「ああ、もうできたの?相変わらず仕事が早いね。」


私が研究室にてあの三人に思いを馳せていると、准教授の長谷村くんが声を掛けてきた。


ちょっと面倒な資料の整理をお願いしておいたのだ。


長谷村くんは中々出来る男で今では私の右腕どころか最速で教授に付くのでは?という話もチラホラ。


おまけに顔も良いので学内でも人気はあるようだ。


確か、歳は今年37だったか?


しかし未だ独身でおまけに女っけもあまりなく私自身はもしや長谷村くんは女性に興味がないのでは……。










「ーーー教授、花野井教授?」


「えっ、何だったかな?」


「また観察ですか?教授が人間学について研究熱心なのは分かりますが、先に言いますけど僕はノーマルですので。」


「あっ、そうなの?てっきり、ほら………なんて言ったか?確かなんとかって企業で社長秘書やってるサイボーグみたいなのと仲良さそうだったじゃないか、前の出版記念パーティーでさ二人でこそこそしてたじゃないか。」


「サイボーグ……ああ、樋山の事ですね?って教授、勝手に僕の事をそういう目で見ないで頂けますか?樋山は学生の頃からの友人の一人です。」


「なんだ、ノーマルなのか。」


「当たり前じゃないですか。あからさまに残念そうにするの止めてください。僕に何を期待してたんですか。」


長谷村くんがそろそろ本気で怒りそうなので話を終わらせる事にする。


「ああ、そう言えば若村兄弟の弟の方がどうやら院へ進みたいと言っております。その内、教授にも挨拶に来るかと思いますが。」